最近ルテインのサプリメントをよく見かけるようになりました。パッケージにルテインと大きく書いてあるものや、アイケア用のブルーベリー等のサプリメントにルテイン含有と書いてあることもありますよね。ルテインにはいったいどんな効果があるのでしょうか？ルテインを摂り過ぎることで副作用などはあるのでしょうか？

気になるルテインについて詳しく紹介するとともに、ルテインを含む食品やサプリメントについても見ていきます。

ルテインが視力回復に効果的な理由

視力を回復させるにはレーシックや眼内コンタクトレンズ、マッサージ、ツボ押しなどの様々な方法がありますが、ルテインにも視力回復の効果があるといわれています。

ただし、目を酷使することが原因で起こる近視のように、目の中の屈折力が変わって起こる視力低下にはあまり期待できません。ルテインによって視力回復が期待できるのは、加齢によって目の中に活性酸素が発生し、酸化して視力が低下するような場合です。

ルテインを摂取すると、目の網膜と水晶体に集まって蓄積されます。酸化によってダメージを受けやすい目をルテインの強い抗酸化作用によってしっかり守ってくれるのです。そのため、視力の回復に効果があるといわれています。

もともとルテインは私たちの目の中に存在しており、網膜にある黄色い斑点がルテインです。ルテインは天然のサングラスともいわれているので、常に太陽光線などの強い刺激から目を守ってくれています。このルテインも加齢とともに減少していくので、目の機能を保つことが難しくなってくるのです。

ルテインは目の病気の予防にも効果がある

ルテインは、失明にもつながる恐れがある白内障や緑内障、有効な治療法がないやっかいな病気である萎縮型黄斑変性にも予防効果や視力改善の効果があると注目を集めています。「21世紀の栄養素」と、呼ばれることも。

網膜にある黄色い斑点を「黄斑部」と呼びますが、視力や色覚に関係している細胞が集まっているので、目にとってはとても需要な部分です。ルテインはこの黄斑部に多く集まっており、有害な紫外線を吸収する役割や、目を保護する役割をするのです。ルテインは水晶体にも蓄積されています。ルテインには強い抗酸化作用があるので、酸化でダメージを受けた目をすぐに修復しようとしてくれるのです。

飛蚊症

飛蚊症（ひぶんしょう）は実際には存在していないのに、目の前を蚊が飛んでいるように見える症状。加齢によって硝子体の中に細かな線維が集まっていき、硝子体が濁ってくるようになります。その線維が影となって網膜に映ることで蚊が飛んでいるように見えてしまうのです。

原因は、硝子体の変性や老化といわれていますが、血液の循環や水分の代謝が悪いことも影響しています。また、飛蚊症は眼底出血や網膜剥離の前兆として発生することもあるので気をつけなければなりません。

飛蚊症の原因には、紫外線も。紫外線が目に入ると活性酸素が発生し、目が酸化でダメージを受けます。線維が破壊され、その残骸が硝子体の中に溜まって影を作ってしまうのです。 ルテインの強い抗酸化作用が活性酸素を取り除いてくれるので、飛蚊症の予防に効果があるのです。

緑内障

緑内障の患者さんは増え続けています。緑内障は視神経に障害が起こり、視野が狭くなっていく病気を総称していいます。緑内障の初期はなかなか症状が表れないので、発見が遅れがちになり、失明の危険性の高い恐い病気です。

眼球は丸いボール型をしており、眼球を維持するのに房水という透明な液体が必要な圧力をかけています。これを眼圧といいます。この房水がなんらかの原因で多く作られる、排出口が閉塞する、目づまりを起こすことでうまく排出されずにたまってしまうと眼圧が高くなります。眼圧が高くなると、視神経が圧迫されて視神経の血流が悪くなり、視神経がだんだんと枯れて死んでしまうのです。そうすると視野が狭くなる、視野が欠ける、などの視野障害を起こします。これが緑内障という病気なのです。
最近では、正常な眼圧であるのに緑内障になる中高年が増えてきています。原因が分からないことも多いのです。

ルテインを摂取することで、眼内の血流や視神経の血流が増えることが分かっています。緑内障を予防する効果が期待できるといえるでしょう。

ただし注意が必要！ルテインの適切な摂取量と副作用

目の病気を予防するためにルテインを摂取した方がいいということが分かってきました。ルテインの強い抗酸化作用で目の病気を予防し、改善することができたら嬉しいですよね。

ただ、ルテインは人間の体内で作ることができない栄養素です。ルテインは自然界のみに存在しています。ということは、ルテインを食べ物やサプリメントから摂取しなくてはならいことになりますね。ルテインは緑黄色野菜や果物に多く含まれており、ほうれん草やブロッコリー、芽キャベツなどに豊富に含まれています。

ルテインが含まれているからといって、ルテインが含まれている野菜や果物をたくさん食べてしまってもいいのでしょうか？ルテインを摂取する量の目安があれば分かりやすいですよね。ルテインを摂り過ぎたら逆に副作用の心配が出てくるのでしょうか？とても気になりますよね。
ルテインの摂取量の目安や、副作用についてみていきましょう。

ルテインの適切な摂取量

ルテインの1日の摂取量の目安は、健常者で6㎎とされています。ほうれん草100gあたりにルテインは10㎎含まれているので、ほうれん草60gが6㎎になり、1日の摂取量の目安ということになります。

すでに目の病気にかかっている人は、食事から摂取するルテインの量だけでは足りません。例えば、飛蚊症の人ならば1日12㎎、白内障の人ならば1日20㎎必要と言われています。毎日この量のルテインを継続的に摂取するのは難しいですよね。

そこで、ルテインの効果を高めるためにはサプリメントを併用することをおすすめします。病状によって必要なルテインは異なるため、自己判断ではなく、必ず医師に相談するようにしてください。

副作用はある？

目にルテインが必要なのは分かりましたが、摂り過ぎてしまった場合の副作用が心配ですよね。ルテインは、自然界に存在する野菜や果物に含まれている栄養素ですので、摂り過ぎてもそこまで大きな副作用はないと言われています。

サプリメントでよく使われているのが、黄色い花のマリーゴールドから抽出したルテインです。マリーゴールドのルテインは安全性が高いと言われています。その他にも石油を原料として作った人工ルテインもあります。人工ルテインは、人間が作ったものですので、副作用が出る場合もあります。主な副作用は、目がかゆくなる、目が腫れる、咳が出る、胸やけがするなどです。

また、喫煙者が人工ルテインを摂取すると、肺がんのリスクが高まるとも言われています。
タバコを吸うだけでルテインが消費されることになりますので、喫煙はがんのリスクだけではなく目の病気の危険性を高めてしまうものなのです。喫煙者は十分に理解しておいてください。

ルテインを多く含む食材

ルテインは野菜や果物に多く含まれています。カロテノイドの一種で、カボチャに含まれるβカロテンや、トマトに含まれるリコピンも同じ仲間です。他のカロテノイドが人間の体内でビタミンAに変換されるのに対して、ルテインはビタミンAに変換されないため、これまでは栄養素としてあまり評価をされていませんでした。

近年になってルテインには強い抗酸化作用があり、紫外線などの活性酸素から目を守る効果があることが分かり、注目されてきました。

ルテインは緑黄色野菜に多く含まれますが、人参やトマトには少なく、ブロッコリーやほうれん草に多く含まれています。ルテインは熱に弱いビタミンCとは違い、熱に強いので、煮たり焼いたりといった調理法でも栄養素が損なわれることがありません。ですので、野菜に火を通して食べることで、たくさんの量を摂取することができるのです。

では、ルテインを含む主な野菜について紹介いたします。

ブロッコリー

ブロッコリー100gに対して1,900㎍（マイクログラム）のルテインが含まれています。ブロッコリーは免疫力を高める野菜として世界的に注目されていますが、ブロッコリーに含まれるルテインは、抗酸化作用があるので心臓病や乳がんの軽減に役立つと言われています。

また、ブロッコリーに含まれるインドール化合物は、植物を成長させる植物ホルモンで、発がん物質の毒性を失わせる効果があります。したがって、体内の発がん物質を抑制してくれるのです。

ブロッコリーに含まれるイソチオシアネートは、発がん物質を活性化する酵素を阻害します。特に食道、大腸、肝臓、肺などのがんを抑制するといわれています。

その他にもスルフォラファンも発がん抑制に役立つので、ブロッコリーは生活習慣病の予防には欠かせない野菜といえます。

ほうれんそう

ほうれん草100gに対して10,200㎍のルテインが含まれています。

ルテインの他にもほうれん草のカロテンは他の野菜に比べてとても多く含まれており、優れた抗酸化作用を持っています。カロテンが不足すると、疲れ目や視力低下、眼球乾燥症を引き起こします。髪の毛がパサついたり肌が荒れたりといった老化現象も引き起こすので、女性にとっては大敵ですよね。ほうれん草のカロテンは、体内で必要な量だけビタミンAに替えることができるので、油で炒めて調理するなどして効率よく摂取することが大切です。

その他にもほうれん草にはカルシウムやリン、亜鉛が多く含まれています。貧血や冷え性の予防、改善する鉄も多く含まれております。男性よりも女性は鉄分を多く摂らなくてはいけないので、ほうれん草をよく食べるようにすると良いです。

ただし、ほうれん草に含まれるシュウ酸は、肌のシミを作る誘発原因になる、カルシウム吸収を妨げることもあるので、ほうれん草を熱湯で茹でたら水にさらしてアクを取り除くようにしましょう。現在出回っているほうれん草は、昔に比べてシュウ酸が少なくなっており、アク抜きが必要ない物もあります。

パセリ

パセリ100gに対して10,000㎍のルテインが含まれています。

パセリは彩を添える付け合わせによく使われていますが、レストランで添え物として出されているパセリは、一割程度しか食されていないといわれています。とてももったいないですよね。そんなパセリにはカロテン、ビタミンC、カルシウムなどの多くの栄養素が含まれているので、サラダに混ぜる、天ぷらに入れるなどして積極的に摂取するようにしましょう。

パセリに含まれる亜鉛は、免疫力を高めるので風邪の予防に役立ち、骨を強くするフッ素の供給源としての効果もあるので、骨粗しょう症を予防することができます。さらに、フラボノイドやテルペノイドも含まれているので、活性酸素を除去することでがんの予防にも効果があると言われています。パセリには魚や肉を解毒する働きもあるので、食中毒の多い時期には積極的に摂りたい野菜です。

ケール

ケール100gに対して21,900㎍のルテインが含まれています。とてもたくさんの量が含まれていますよね。

ケールは青汁などの原料になっているのを見かけることが多いですよね。野菜としてはどこにでも売っているわけではないので、手に入りにくいことが多いです。実は、ケールはキャベツの原種なのです。私たちが普段よく食するキャベツや大根、ブロッコリーはケールを品種改良して作られたものです。

ケールにはルテインが豊富に含まれています。βカロテンも豊富で、トマトの5倍もの量が含まれているのです。その他にもビタミン、カルシウム、食物繊維、メラトニンなどの栄養素がたっぷり詰まった野菜です。

ケールは強い抗酸化力を持っているので、加齢による体の酸化を防ぐことができます。動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病も防ぐことができるといわれているのです。

ブルーベリーにはルテインは含まれていない？

ブルーベリーのサプリメントなどにルテインと書いてあることが多いので、ブルーベリーにルテインも含まれていると思われがちですが、実はブルーベリーにルテインは含まれていません。

ブルーベリーの代表的な栄養素は、アントシアニンです。ブルーベリーの濃い青紫色の色素のことで、目に良い働きをもたらします。アントシアニンにはビタミンCの5倍もの強い抗酸化作用があります。

ちなみにルテインは黄色い花のマリーゴールドに多く含まれています。ルテインはカロテノイドの栄養素の一種であり、強い抗酸化作用を持っています。目が老化する原因になる活性酸素を抑える、パソコンやスマホから発生する目にとって有害なブルーライトを吸収して目を守ってくれますよ。

効率的に摂取！ルテインを含むサプリメント比較

ルテインを含むサプリメントは、たくさんの会社が作っています。ルテインは網膜の黄斑部にある黄色の斑点ですが、体内で作ることができない栄養素です。ルテインを食物やサプリメントで体の外から補わなくてはなりません。サプリメントでルテインを摂取するのであれば、できるだけ効率的に摂りたいですよね。そこで各社のルテインを含むサプリメントを比較してみたいと思います。

小林製薬

小林製薬の「ルテインa」には1日の摂取量にルテインが10㎎含まれています。機能性表示食品になっており、視覚機能を保ち、くっきりと鮮やかな視界にしてくれる働きも。ただ、ルテインの量が他社製品と比べて低いというところは、注意しておきましょう。
価格は1袋1カ月分で1,728円です。1日あたりにすると57.6円になります。

ファンケル

ファンケルの「えんきん」には1日の摂取量にルテインが10㎎含まれています。45歳以上の人で、手元の小さい文字が見えづらいと感じる人向けのサプリメントです。手元の文字のピント調整機能を助ける働きをしてくれます。ただルテインが20mgと、他社製品と比べて少ないところが気になるところ。
価格は1袋1ヵ月分で2,160円です。1日あたりにすると66円になります。

ドクターズチョイス

ドクターズチョイスはドクターがお勧めするサプリメントです。「ルテイン40mg」には1日の摂取量にルテインが40㎎も含まれています。天然のマリーゴールドから抽出したルテインを100％使っています。ルテインを摂取するときに必要な成分のゼアキサンチンも2㎎含まれています。
その分、価格が高く、1ヵ月分で4,340円です。1日あたりにすると145円になります。他者製品は100円を切るものが多いため、継続的に購入を考えるのであれば、少し躊躇してしまう値段かもしれません。

グローバルヘルス

グローバルヘルスの「スーパー・ルテイン」は6つのカロテノイドがバランスよく含まれているので、野菜不足を感じている、栄養のバランスを気にしている人にはぴったりのサプリメントです。6つのカロテノイドの中にはもちろんルテインが含まれており、ルテインとよく似た性質のゼアキサンチンも含まれています。
価格は1ボトル約1ヵ月分で12,500円です。1日あたりにすると417円になります。こちらも他社製品と比べて値段が高いため、購入には躊躇してしまうかもしれません。

DHC

DHCの「ルテイン　光対策　30日分」には1日の摂取量にルテインが16㎎含まれています。機能性表示食品で、パソコンやスマホなどのブルーライトの光刺激から目を守り、コントラスト感度を維持し、眼の調子を整えてくれます。
価格は1袋1カ月分で1,234円です。1日あたりにすると41円になります。

Doctor’s Best

Doctor’s Bestの「ベストルテイン　20㎎」には1日の摂取量にルテインが20㎎含まれています。1錠に20㎎のルテインとゼアキサンチンを4㎎が含まれています。眼の健康をサポートするサプリメントです。
価格は1ボトル6ヵ月分で4,799円です。1日あたりにすると27円になります。

さくらの森

さくらの森の「めなり極」には1日の摂取量にルテインが12㎎含まれています。手元の文字がぼやける、夜の車の運転が見えづらい、目が渇くなどの症状を和らげてクリアな視界へとサポートします。ただ、実店舗などで販売を行っておらず、知名度があまり高くありません。
価格は1袋1ヵ月分で4,299円です。1日あたりにすると143円になります。

わかさ生活

わかさ生活の「ブルーベリーアイ」はルテイン含有量が多いアフリカン・マリーゴールドから抽出したフリー体ルテインが含まれています。フリー体ルテインは体内にとても吸収しやすくなっています。販売実績が1億4,000万袋もあるのが特徴！この数は多くの方に愛用されている証拠です。販売実績は、安心感と信頼感を与えてくれますよね。

価格は1袋1ヵ月分で2,200円です。1日あたりにすると71円になります。

自分にあったサプリメントを選ぼう

8社のルテインを含むサプリメントを見てきましたが、どこも含有しているルテインの量やその他に入っている栄養成分にかなり違いがあります。どれも良さそうなので選ぶのが難しいですよね。

そこで最後にサプリメントを選ぶポイントをご紹介します。

継続できる価格か

サプリメントは続けることで効果を発揮するものです。栄養成分も選ぶ上で気になる項目ではありますが、この先もずっと飲み続けていくことができる価格帯なのかも検討する必要があります。あまりにも高価だと続けるのが難しくなってしまうでしょう。

たとえば、グローバルヘルスの「スーパー・ルテイン」は1日376円と他のサプリメントと比べると、かなり費用が高いことがわかります。たとえ効果があったとしても、毎月1万円以上を1つのサプリメントに使うのは難しいのではないでしょうか。特に45歳を超えると、病気のリスクが高まると言われています。徐々に飲む薬の量が増えていき、目以外の体のケアも必要になっていくことでしょう。

そう考えると、やはり継続できる金額のサプリメントを選ぶというのは重要ですよね。無理のないように、まずは価格を重視して検討してみてください。

ルテインの含有量は多いか

ルテインの摂取を目的とするのであれば、そもそもルテインの含有量をチェックしておく必要があります。例えば、10mgと40mgでは4倍も含有量が異なります。迷ったときはルテインの含有量をチェックするようにしてみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか？ここまでルテインの効果についてご紹介をしてきました。

近年パソコンやスマートフォンが普及したことにより、疲れ目になったり、視力が低下したりと、現代人特有の悩みも出てきています。生活スタイルが変わってきている中、時代に合ったケアもしていかなければいけません。ルテインは食物からもとれますが、毎日意識的に自炊をするというのは、忙しい人にとっては苦痛でしかないかもしれません。だからこそ、サプリメントの力を使って、効率的に日々ルテインを補給するのがおすすめです。毎日飲むだけですので、誰でも簡単に継続できますよ。

ただどのサプリメントを選べばいいかわからないという人も多いでしょう。そうした場合は、ルテインの含有量や継続できる価格帯なのかをまずはチェックしてみてください。それでも絞り込めないときは、安心感を優先して販売実績数を見てみるのもいいでしょう。